画像情報処理
担当教員
授業の到達目標及びテーマ
1枚の画像には、通常雑音成分が含まれていたり、場合によってはボケていたりして、必ずしも質の高い画像が得られるわけではない。ここでは、まずこうした質の低い画像の画質を改善する手法やそれらの基礎となる考え方を理解することをテーマとしている。画像には多重分光画像をはじめ、多重解像度画像、多重視角画像、多重時刻画像などより高次元の画像も存在し、それらの処理・解析手法にしても多岐にわたる。そこで、リモートセンシングを軸として、そこで用いられる画像処理手法の例を示していく。たとえば、多重視角画像(いわゆるスレテオ画像)からは、対象物までの距離に関する情報を得ることができるが、こうした有用な情報を抽出するには、画像間で対応する画素を探す必要がある。また、衛星画像に対して分類処理を行うことにより、対象となる地域でどのように土地利用がどのように行われているか知ることができる。こうした場合の具体的なアルゴリズムの理解もここでのテーマである。
授業の概要と方法
画像には対象物の色や形、さらにそれらの時間的な変化など多くの情報が含まれてので、適切に処理することにより、対象物が何であるかの自動認識やその状態に関する有用な情報を得ることができる。しかしながら、通常は雑音成分が含まれていたり場合によってはボケていたりして、必ずしも質の高い画像が得られるわけではない。画像処理技術は、こうした質の低い画像の画質を改善し人間による認識の精度を高めることや、一歩進んでコンピュータによる自動認識精度を高めるのに用いられる。ここでは、こうした画像処理の基本的な解析手法を学習するとともに、衛星画像の処理に関しての実際のアルゴリズムの応用例も示す。 理解を助けるための課題も用意する。
授業計画
| 回 | テーマ | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | イントロダクション - 画像の種類と含まれる情報- | 画像の種類や基礎的な概念の理解、および講義内容の概略の理解 |
| 2 | 基礎と簡単なアルゴリズム | 基礎となるアルゴリズムの理解 |
| 3 | 統計的手法の導入 | 数学的なツールの紹介とそれらの理解 |
| 4 | 画像の幾何学的操作 | 画素濃度の補間法を理解し、それを用いて回転や反転といった幾何学的操作のアルゴリズムの理解 |
| 5 | フーリエ変換とその応用 | 1次元フーリエ変換の復習と2次元への拡張(画像への適用法)の理解 |
| 6 | フーリエ変換からウェーブレット変換へ | 高速フーリエ変換(FFT)を理解し、それを用いての相関関数の計算法を理解、およびガボール変換やウェーブレット変換の考え方の理解 |
| 7 | コンピュータトモグラフィー | 2次元フーリエ変換の応用としてのCTアルゴリズムの理解 |
| 8 | 主成分分析法と主成分展開 | 主成分分析法の理解とそれを用いる展開法についての理解 |
| 9 | 画像の教師つき分類法 | 最尤法を中心とする教師つき分類法の考え方とそれぞれの関係の理解 |
| 10 | 画像の教師なし分類法 | 教師なし分類法の考え方とそれぞれの関係の理解 |
| 11 | 画像の重ね合わせ | 画像を重ね合わせる必要性(用途)、考え方、具体的なアルゴリズムの理解 |
| 12 | オプティカルフローを用いる画像の重ね合わせ | オプティカルフロー自体の理解、および画像重ね合わせへの応用法の理解 |
| 13 | ステレオペア画像の処理 | 多重視角画像から対象物の3次元形状を求める手法の理解 |
| 14 | 画像データの圧縮 | 画像の圧縮の基礎事項の理解と、それらの応用としてのJPEGやウェーブレットの考え方の理解 |
| 15 | まとめ | 試験 |
授業外に行うべき学習活動
復習と課題レポートの作成
テキスト
必要に応じて、Webを通じて配布する。
参考書
・Anil K. Jain, "Fundamentals of Digital Image Processing, " PRENTICE HALL (1989) ・Jae S. Lim, "Two-Dimensional Signal and Image Processing," PRENTICE HALL (1990) ・R.Lewis,"Practical Digital Image Processing," ELLIS HORWOOD (1990) ・F. Heijden, "Image Based Measurement system," Willy (1994) ・赤塚、稲村、桂井: わかる画像工学、日新出版(1999) ・James B. Campbell, "Introduction to REMOTE SENSING 3rd Ed. ," The Guliford Press (2002) ・高木、下田(監修): 新編 画像解析ハンドブック、東京大学出版会 (2004) 図書室にあります
成績評価基準
試験の成績(60%)とレポートの成績(40%)によって評価する。
情報機器使用
必要となる資料や課題はネットワークを通じて配布する。
前年度の授業改善アンケートからの気づき
内容が難しいという評価を頂きました。わかりやすい授業になるよう努力していきたいと思います。 場合によっては、トピックを絞ってわかりやすさを優先させるつもりです。わからないときには、気軽に質問してください。
その他
行列計算や統計的手法の知識が必要となるので、参考書などでよく予習して授業に臨むことが望ましい。ディジタル信号処理を受講しておくと理解が容易になる。 レポートは各人の言葉で表現し期日を守って提出すること。