心理学2

担当教員

授業の到達目標及びテーマ

 認知心理学の領域では、近年さまざまな日常場面への応用を目指した研究がおこなわれています。それらの応用研究について、身近な具体例をあげながら紹介します。

授業の概要と方法

 認知心理学の研究では、知覚・記憶・思考など日常的に体験できるような心のはたらきを対象とすることから、研究方法や成果が日常経験や社会的問題に応用可能なのかどうかがしばしば論じられてきました。そして、最近ではそのような応用を目的とする研究も多く行われています。この授業では、それらの研究例を紹介します。授業では、板書の代わりにパワーポイントを使って解説しますので、画面上での文字の提示が多くなりますが、単にノートに書き写すのではなく、内容を理解しながら話の内容と合わせてノートを取るように心がけてください。また、適宜プリントも配布します。   なお、毎回の授業で「よくわかったこと」と「よくわからなかったこと」を書いて提出してもらい、授業への参加度の確認に使用します。

授業計画

テーマ内容
1 イントロダクション 授業の概要と講義の進め方。認知心理学の最近の動向。
2 問題解決の過程 問題解決における表象の役割とヒューリスティックによる解決。
3 確率判断の特性 人間の確率判断におけるヒューリスティクスとはどのようなことか。
4 ヒューマンエラー ヒューマンエラーとは何か、ミステイクとスリップ。
5 事故と安全の心理学 航空機事故、医療事故、原子力発電所事故などから学ぶ人間の心理と危機管理。
6 アクションスリップ D.A.ノーマンによるアクションスリップのATSモデル。
7 ヒューマン・インタフェース 使いやすい道具や機器のヒューマン・インタフェースに関する認知心理学的な問題の提起。
8 目撃証言 目撃証言における記憶の変容を示す研究例の紹介。
9 顔の認知 顔の認知過程についての研究例の紹介。
10 社会的認知 社会心理学における社会的認知研究の概要。
11 社会的ジレンマ 社会的ジレンマ研究と合意形成に向けたさまざまな解決策。
12 コミュニケーションにおける認知 対人コミュニケーションにおける認知の役割。
13 自伝的記憶 自伝的記憶の研究方法と成果の紹介。
14 記憶と言語の障害 記憶と言語の障害の事例について学ぶ。
15 試験 授業内容の理解度の確認。

授業外に行うべき学習活動

毎回の内容について予習をしておき、授業後にノートおよび参考書等で復習をすることを求めます。

テキスト

特定のものは使用しません。

参考書

「記憶の心理学と現代社会」(太田信夫[編]、有斐閣、2006年) 「日常認知の心理学」(井上毅・佐藤浩一[編著]、北大路書房、2002年) 「認知心理学の新しいかたち」(仲真紀子[編著]、誠信書房、2005年) 「はじめて出会う心理学(改訂版)」(長谷川寿一・東條正城・大島尚・丹野義彦・廣中直行[著]、有斐閣、2008年) その他、授業時に適宜紹介します。

成績評価基準

 授業への参加(30%): 毎回の授業で「よくわかったこと」と「よくわからなかったこと」を提出してもらい、授業への参加度を評価対象とします。  試験の成績(70%): 授業内容の理解度を確認します。試験の実施方法は受講者数などを見てからお伝えします。

情報機器使用

 黒板は使わず、パワーポイントのスライドをスクリーンに提示して授業を進めます。

前年度の授業改善アンケートからの気づき

 パワーポイントのスライドをダウンロードさせてほしいとの希望が毎年出されますが、私は「自分なりにノートを取る」ことが学習にとって重要だと考えていますので、それは行いません。専門科目と違い、「知識を身につけて役立てる」ということではなく、人間の心についての「考え方」を知ってほしいので、「何が正解なのか」を求められても困る面があります。「心」という不思議な対象にに興味を持つ人に受講してほしいと思っています。