微分法の基礎と応用

担当教員

授業の到達目標及びテーマ

 微積分法は現実世界の出来事を予測・シミュレートするとき絶大な力を発揮し、情報科学を応用する様々な場面で用いられます。この授業は、微分法に親しみ違和感なく対応できるようになることを目標としています。あわせて「数学を使って考える技術」を身につけることも心がけます。

授業の概要と方法

 数式が表す内容を視覚的にイメージできることは大切な能力です。そのため大学から貸与されたPCの計算ソフトを利用する場面がたくさん出てきます。教科書に出てくるさまざまな関数のグラフを、自分の手で描くことにより、理解を確実なものとします。

教室では計算法とともに実戦的な応用例を紹介します。計算力を養うために、課題(教科書の問題と、別途用意する問題・解説を自宅で学習)を提出してもらいます。

授業は、まず1変数関数の微分法から始め、つぎに、多変数関数の微分法とその応用を学びます。この授業では予習が非常に大切です。予習では「授業中にどのような質問をしようか」と考えましょう。そうすると、予習は「考える技術」の訓練の場となりますし、何に焦点をあわせて聞くかという心構えができるので、授業の時間を非常に有効に使えます。

授業計画

春セメスター

テーマ内容
1 数列と級数 現象が従うルールを漸化式で表し将来を予測する例題から数列や級数が役立つことを体験します。有理数の数列の極限が有理数でない例を用い無理数や実数の連続性に触れます。自然対数の底eの定義を学びます。
2 簡単な関数の定義 べき関数、整関数、有理関数、指数関数、対数関数、三角関数など初等関数の定義とグラフや性質を復習します。
3 関数の分類 現実世界から、初等関数で表される例を見ます。また関数を対称性で分類したり、既知の関数の逆関数として定義される関数も学びます。
4 関数の極限 関数の極限と連続性について復習します。
5 微分法の基礎 なめらかな関数のグラフを直線で近似することを通し微分法の基本を復習します。
6 微分法応用 微分法の応用を学びます。方程式の数値解(ニュートン法)、極値問題(光線の経路、包絡線など)がテーマです。
7 テーラー展開の基礎 テーラー展開の基礎を学びます。
8 関数値の近似計算 テーラー展開の応用を学びます。概略の関数値を簡単に計算します。
9 関数の多項式による近似 テーラー展開の応用を学びます。関数の形を多項式で近似する方法を、現実世界の理解と関連付けて学びます。
10 平面の式 偏微分法を学ぶ準備として平面を表す関数について復習します。
11 2変数関数のグラフ 2変数関数のグラフ、等高線、接平面、接平面の傾きについて学びます。
12 偏微分法の基礎 偏微分法の計算法を学びます。2変数関数のグラフと偏微分係数の関係を考察します。また、全微分の意味と取り扱いを学びます。
13 偏微分法における座標変換 極座標で計算した偏微分係数の意味を考え、偏微分法の適用範囲を広げます。
14 偏微分法を用いた極値問題の解法 偏微分係数を用い2変数関数の極値、条件付き極値を求める方法を考察します。
15 まとめと復習 質疑応答の時間

授業外に行うべき学習活動

基本的なガイドラインは、http://cis.k.hosei.ac.jp/~kano に掲載しますが、詳細は担当教員の指示に従ってください。

テキスト

・微分積分(理工系の数学入門コース1)、和達三樹著、岩波
・授業中に配布するプリント

参考書

・微積分法の応用を広く知るために:
解析入門1、2、ハーン著、シュプリンガー東京
・微積分学の基礎をより深く知るために:
解析教程、ハイラー/ワナー著、シュプリンガー東京

成績評価基準

 レポートと小テスト(~50%)、期末試験(~50%)の総点で評価しますが、詳細は担当教員から説明をします。