創造性を涵養する学問的探求

創造性を涵養する学問的探求

情報科学研究科

情報科学研究科の特色

 本研究科では、情報システムを構築する基盤として、知的計算を含む並列コンピューティングやアーキテクチャ、またコンピューティングの上に創られる人工世界のモデルと可視化技術、さらに人工世界システムを現実世界に適応する応用領域から構成され、大学院生はシステム全体の構成と共に、各領域における主要な問題発見と問題解決の能力を系統的に養うことができます。また、コンピュータ情報技術は先導的、独創的発想とともに、その実用化が同時に進行し社会構造を大きく変革しています。この黎明期の研究教育においては、常に創造性を涵養する学問的探求と並んで、その成果をソフトウエアやコンピュータシミュレーションによって現実世界へマッピングするプロダクティブなアプローチが不可避となります。このため、高度教育研究者育成と並んで、実社会に対応した高度専門技術者養成を図るため、研究領域で得た知識を具現化するためのモノ作りの体験を通して自主性、創造性を高めるためのIT(情報技術)ファクトリーセミナーを1年次後期及び2年次前期に設け、インターネット等を積極的に利用した情報収集とサイバーモデルの構築を目指します。

 一方、コンピュータ情報科学が経済、教育、医療など人文科学系、生命科学系に至る社会全体にわたって浸透しつつある現在、非情報科学系の学部教育を受けた学生の入学の機会が増すものと考えられます。これに対して、博士前期課程期間内に情報科学に関する先修的知識を効果的に修得するために、先修科目を、原則として1年次前期に開講します。

情報科学研究科長からのメッセージ

情報科学研究科の大学院生の皆さんへ

次の時代を切り拓く

情報科学研究科長
大森 健児 教授

 情報科学・技術は、これまでの科学・技術に見られないような速さで変化しています。コンピュータの処理速度や記憶容量は1年半で2倍になります。ものを移動させるために、馬、自動車、飛行機、衛星ロケットと進化してきましたが、処理速度のアップはコンピュータのそれと比べるとわずかなものです。ところで、このような急激な変化は何をもたらすでしょうか。私は20年毎の革命と思っています。20年たつと処理速度や記憶容量は1万倍速くなり、多くなります。この変化がコンピュータの世界を人々の生活を変えるほどに大きな変化をもたらします。過去の例を見ても分かるように、1960年代には企業での事務処理が大型コンピュータで行われるようになりました。1980年代にはパーソナルコンピュータが出現し、個人でもコンピュータが使えるようになりました。また、2000年代にはインターネットが広まり世界中の人がコンピュータを介して接続されるようになりました。

 それでは、次の20年は何をもたらすでしょうか。大学院に在籍中にこれに対する解を捜し求めて欲しいと思います。激しく変化する中に置かれているときは、その変化の先に何が来るのかを的確に予想できないと生き抜いていくことはできません。この作業は大変なことだとは思いますが、是非、それぞれの解を見つけてください。

 私は次のように考えています。次の20年には量から質の変化に変わるのではないかと思っています。人間に限らず動物の脳は、並列・分散で処理されています。インターネットは並列・分散処理を加速しますが、プロセッサの変化がもっと本質的な変化をもたらすことと思います。これまで、プロセッサは一つのタスクしかすることができませんでした。しかし、Dual Coreと呼ばれるプロセッサには二つの実行コアが含まれています。更に、Quad Coreと呼ばれるプロセッサも出現し始めましたが、これには4つの実行コアが含まれています。今後、一つのプロセッサに含まれる実行コアは増えていくことと思われます。一つのプロセッサに千あるいは万の実行コアが含まれるようになったらどうなるでしょうか。これまでの情報科学・技術での処理方法が根底から変わってしまいます。これに備えて、新しい情報科学・技術を築いていくことが大切であると考えています。

 最後に、日本は低学歴国と揶揄されています。技術者同士で名刺を交換すると、欧米の技術者は殆どがPhDの肩書きがついていますが、日本の技術者はそうはなっていません。肩書きがその人の能力を測る全てでないことは言うまでもないことですが、情報科学・技術の分野は国際化が最も進んでいて、多くの皆さんは、海外の技術者のとの競争の中にさらされますので、在学中も修了後も常にステップアップを考えてください。

情報科学研究科のカリキュラム

  • 情報科学研究科カリキュラム?