若原 徹 研究室 - 高校生の方へ
ディジタルメディア学科、情報科学研究科
メッセージ
コンピュータに五感や感性を与える研究に挑戦しています。
私たち人間は毎日、ものを見たり、音を聞いたり、においを嗅いだり、触ったり、また味覚も使って、外界から様々な情報を取り込んで生きています。これは素晴らしい能力です。しかし、その仕組みは未だよく分かっていません。例えば、人は目の網膜でとらえた信号が「A君の顔だ」とどうやって認識できるのでしょう。私の研究室では、特にこの視覚機能をコンピュータで実現しようとしています。目の代わりにデジタルカメラやビデオを用いて対象を撮影します。次に、コンピュータに「画像中にどんなもの(パターン)があるか」を認識させます。このような研究は、画像処理やパターン認識と呼ばれる分野に属します。私が研究しているテーマには、(1)手書きのくずし字を認識する、(2)街中にあふれる様々な文字や記号を認識する、(3)人の顔を認識する、(4)指紋から誰であるか認識する、(5)手振り身振りを認識する、(6)人間の印象(感性)をもとに画像を検索する、などがあります。講義では「パターン認識」、「パターン認識演習」、「ヒューマンインタラクション」を担当しています。皆さんには、基礎理論を学ぶとともに、具体的なプログラミングを行ってコンピュータによる画像処理・画像認識の面白さを体験してもらいます。また、1年次から3年次まで半年単位で受講できる「プロジェクト」では、より踏み込んだ実践的なプログラミングとシミュレーション実験を行います。
このような画像処理・パターン認識の技術は、これからの情報化社会でますます重要な役割を果たすと期待されています。例えば、インターネットの向こう側に誰がいるのか確かめたい、ある人が本人かどうか確認したい、犯罪を防止したいという場合に、顔や指紋の画像から「誰なのか」を認識する技術として応用できます。また、自動車にカメラを搭載して、安全運転や自動運転につなげることも夢ではないでしょう。医療分野においても、コンピュータを用いた画像診断やロボットによる手術に応用されるでしょう。こうした広い応用分野で中核となる技術者を育成していきたいと思っています。
コンピュータにパターン認識能力や感性を与える研究には夢があります。そして、まだまだ人間の能力に及ばないからこそ、挑戦的な研究テーマが沢山あります。是非やってみようという諸君を歓迎します。
講義風景 ヒューマンインタラクション
研究紹介
研究概要
私の研究室の学生が取り組んだテーマからいくつかを紹介します。
図1は、手書き数字の認識です。左側の多様に歪んだ数字「4」を、平均的な数字0~9のモデルと比較することにより正しく認識できた例です。
図1. 手書き数字の認識
図2は、画像中からの顔領域の抽出です。まず、肌色の領域を抽出し、続いて、目、鼻、口の有無を検証し、最後に、それらの配置をもとに顔領域を抽出します。
図2. 顔領域の抽出
図3は、視覚障害者用に開発したシューティングゲームです。効果音の種類や左右の音量を工夫してステレオ効果をつけました。
図3. 視覚障害者用シューティングゲーム
いずれの研究においても実用に耐えるレベルに到達することが目標です。そのため、開発したプログラムの性能の評価には、国際的に公開された画像データベースを用います。研究成果は皆さん自身が積極的に国際会議で発表できるよう指導しています。
また、大学内にとどまらず、企業との共同研究を行うことがあります。最近では、指紋画像を用いた個人認証の共同研究を行いました。
学生の声
この研究室を選んだ理由
2004年度生 小松さん
私は画像処理やパターン認識を研究する、若原研究室に所属しています。
この研究室を選んだ理由は、若原先生の授業がとても面白かったからです。そして、画像処理・認識の分野がこれからさらに成長すると考えたからです。ホンダのASIMOというロボットは、床に貼ってある特定のマークを目印に歩いているそうです。また、食料品の分野でも画像認識が利用されています。缶ビールの製造工場では、製造された缶の中に異物が入っていないかを画像認識で確認した後、ビールを注入しているそうです。画像認識の技術を身につければ、世の中の様々な分野で活躍することができると思いました。
今取り組んでいるテーマは「カラー文字画像の2値化」です。カラーの文字が入った画像が入力されたときに、文字部分を黒、背景を白にするというものです。現在、ある程度の精度で2値化を行うプログラムは完成していますが、より精度を高めていくのが私の目標です。これができるようになれば、例えばカラー封筒にカラー文字で書かれた郵便番号やカラーの看板も自動で認識できるようになるなど、文字認識を適用できる画像の種類がぐっと広がると思っています。
将来どのような分野で活躍したいか
2005年度生 坪井さん
情報科学部に入学するまでは、最初はコンピュータの知識はほとんどなく、インターネットを利用する程度でした。しかし、パソコンに触れる機会が増えていくうちに徐々にコンピュータというものに対する興味が大きく膨らんで、情報科学部への入学を選びました。
入学した当初はプログラミングの講義などでわからないことが多くて苦労しましたが、先生方の話をしっかりと聞き、復習を重ねていくうちに、プログラミングがとてもおもしろくなってきました。今は、JavaとC言語を勉強しているので、これらの知識をさらに深めていきたいと思います。そして、ほかのプログラミングの言語についても学んでみたいと思っています。また、若原先生のパターン認識の講義で、コンピュータを用いた認識というものに興味を持ちました。プロジェクトでも若原先生のところで文字認識に取り組んでいます。その内容が学んでいてとてもおもしろかったので、引き続きこのプロジェクトで知識を深めていき,将来は情報科学部で学んだプログラミングやパターン認識の技術が活かせる分野で仕事ができたらいいと思います。
その分野に就職した理由
2003年度生 木村さん
私は、大学で学んだ知識を活かせること、今後の発展が期待され変化に富んだ分野で働けること、の2点を基準にして、IT・通信業界への就職を決めました。特に、インターネット上で新たな価値を創造する仕事で自分の可能性をためしたいと思い、それにふさわしい会社を選びました。
この学部では、コンピュータやソフトウェアに関する幅広い知識を深く学びます。また、ほとんどの授業でパソコンを使うため、自然とパソコンに慣れ親しむことができます。入学以前にコンピュータやパソコンについて全く知識がなくても心配は要りません。現代のインターネット社会になくてはならなくなったIT技術、そして今後更なる発展が期待されるITの世界に興味があれば、この学部で学ぶことを強く勧めます。
風景写真
プロジェクト・ゼミ風景
プロジェクト・ゼミ風景


