エントロピー
熱・統計力学から情報理論へ
スコープ
この講義では、目に見える程度の大きさの物体の熱的な振る舞いを学ぶことを第一の目的とする。その キーワードは「エントロピー」である。 エントロピーは情報理論にも現れる重要な概念だが,ここでは,まず蒸気機関の設計に関係して生まれた熱力学と呼ばれる理論からエントロピーを導入し,次に統計力学と呼ばれる理論からそれを見直す。 統計力学の立場から見たエントロピーは,情報理論の情報エントロピーと同じ形式の表現であり,対比して論じられることも多い。
講義ノート
No.01 エンジンの歴史
No.02 カルノーエンジン
- 熱の科学の発展
- エンジンの効率を科学的に論じた最初の研究
- 【課題: カルノーの科学を見る目】
- 提出日:
- 形式:
- A4用紙, 複数ページの場合左上ホッチキス止め
- 表紙不要,各ページ右上に学籍番号と氏名
No.03 温度と熱
No.04 気体の状態〜No.05 エンジンの効率
- 内部エネルギーと熱の出入り
- 状態方程式と準静過程
- 理想気体の状態方程式
- 気体分子運動論 ⇒ No.07へ
- 熱容量と比熱
- 理想気体の断熱変化
- PV図と仕事
- カルノーエンジンの動作と効率
- 可逆過程
講義メモ
● クイズ(小試験例題)
- セ氏30度の水1リットルを10分間で90度にするには,最低限何ワットの電力が必要か?
- 1リットル, セ氏0度の空気をシリンダに封じ,温度が変化しないようにして 1気圧から2気圧に圧縮した.圧縮後の体積は?熱の出入りは?
- 高温側の熱源がセ氏100度,低温側の熱源がセ氏0度の可逆カルノーエンジンの効率は?
- この可逆カルノーエンジンをヒートポンプとして用いたときの効率は?
問題
(答案)
No.06 エントロピー(1)
- 状態量
- 熱の出入りに関する状態量
- 熱力学におけるエントロピーの定義
- エントロピーを計算する
- エントロピーと内部エネルギー
- エントロピーとエンジンの効率
● クイズ(小試験例題)
- 物体が温度をセ氏0°に保ったまま100Jの熱エネルギーを放出した。
この物体のエントロピーの変化はどれだけか,符号も考慮して答えよ。
- 温度がそれぞれセ氏0度と50度に保たれた2つの物体の間で
100Jの熱エネルギーが移動したとき,全体のエントロピーはどれだけ変化するか。
- 圧力1気圧, 体積V=22.4リットルの気体を温度を一定に保ったまま体積を2倍にした。
この気体のエントロピーの変化はどれだけか?
- 44.8リットルの体積をもつ断熱容器を半分に区切り,片側を真空とし,
片側に圧力1気圧の水素(理想気体とする)を入れた。隔壁を破り気体を自由に膨張させたとき,
エントロピーの変化はどれだけか。
もし一方を真空ではなく,1気圧のヘリウム(理想気体)を入れてあったとすると,
全体のエントロピーの変化はどれだけか。
- 比熱が1cal/Kの物体がある。この物体の温度がセ氏10度から50度まで上昇する間に
どれだけエントロピーが変化するか。
(課題)クイズ
(答案)
No.07 気体分子運動論 ← プリント配布
- 気体・液体・固体と原子・分子
- 理想気体のモデル
- 力学の話題(運動量、運動エネルギー、力と運動量変化、圧力)
- 統計平均
- 理想気体の状態方程式
- 温度と熱の解釈
No.08 自然に起きる変化, No.09 ミクロな状態
- 力学過程の可逆性と熱現象の非可逆性
- 非可逆性を説明するアイデア
- ミクロ状態とマクロ状態
- 等重率の原理
- 熱平衡状態とその「ゆらぎ」
- 最大確率で実現する分布
- 【理解度チェック】
課題
No.10 エントロピー(2), No.11 エントロピー(3)
- S = k log W、 S と 自然な変化の向きと
- ボルツマン分布とエントロピー
- 熱平衡と温度
-
アニメーションで見るボルツマン分布
- 【理解度チェック】
課題
解答
- 情報エントロピー ⇒ No.11へ
No.12 自由エネルギー
- 孤立系の自然な変化とエントロピー
- 開放系の自然な変化とエントロピー
- 等温変化の向きとエントロピー
- ヘルムホルツの自由エネルギー、ギブスの自由エネルギー
No.13 情報エントロピー(1) (2)
- 確率
- 情報とその量
- 情報の期待値、情報エントロピーの定義と性質
- 情報エントロピーの使い方
参考:ラグランジュの未定定数法
課題の4で,「金額の平均が固定された条件下でエントロピーを最大とする」計算がある。このような条件付き極値問題を解くための定石がラグランジュの未定定数法である。
たとえば,関数 f(x,y) が条件 g(x,y)=0 のもとで極値となるようなx,yの値を決定するには関数 h(x,y)=f(x,y)+λg(x,y) を導入し,連立方程式
∂h/∂x = 0 および ∂h/∂y = 0
を解けばよい。ただし,これらは,それぞれ関数 h を x および y について偏微分(他の変数を固定し,指定された変数で微分)したものである。
● 小テスト/課題 エントロピー